生活のお役立ち情報:「車庫証明」の取り方

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生活のお役立ち情報:「車庫証明」の取り方

こんにちは。熊本市東区の花笑む行政書士事務所、行政書士の高木陽子です。

2020年は世界中、思いがけない一年となりましたね。新年を迎え、来年度に向けて新生活を控えるご家族のお引越しやそれに伴う車の取得や譲渡など、車関係の段取りが始まる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、知っているようで知らない、車庫証明についての記事です。

「車庫証明」はご自身で取ることが可能です!

車の取得時や譲渡時に必要となることがあるのが「車庫証明」。名前はよく聞くけれど、どこで手続きするのか、そもそも自分でできるものなのか、よく分からないという方が多くいらっしゃることと思います。書類を作り、平日の日中に警察署に出向く時間がある方なら、ご自身で車庫証明を取ることはできます!今回は、熊本県の場合で、「車庫証明」の取り方をご説明致します。

なお、自動車の保有者は、道路上の場所以外の場所で保管場所を確保することが法律で定められています。(自動車の保管場所の確保等に関する法律 第三条)。車庫証明は「駐車場の確保ができていることを管轄警察署が証明する制度」と言えます。

ご自身で、車庫証明の取得をされるときには、必ず管轄の警察署の情報の確認をお願いいたします。万が一、不利益等があられた場合に、当事務所では責任を負いかねますこと、あらかじめご了承ください。

熊本県内で「車庫証明」が必要なエリアについて

熊本県の場合でお話し致します。車庫証明が必要か否かは、「駐車場の場所(駐車場の住所)」=「保管の場所」がどこであるか、という点で判断します。

「自動車保管場所証明(車庫証明)」(軽自動車の場合には「車庫届出」と言います)は、下記のエリアの場合に必要となります。
ただし下記のエリアであっても、該当する車について、同居しているご家族の中での名義変更であり住所変更がない場合には、名義変更手続きの際に車庫証明の添付が省略できます。

【熊本県の場合】
普通自動車:熊本県内全ての市、および、町に保管場所を有する車
      (ただし、平成12年6月1日現在における「村」の区域を除く)
軽自動車:熊本市および八代市に保管場所を有する車
    (ただし、平成12年6月1日現在における「熊本市」「八代市」でなかった地域を除く)

いずれも、「保管場所の位置」の管轄の警察署にて「車庫証明」(軽自動車は「車庫届出」)の手続きが必要です。
お住まいの住所ではなく、「駐車場がある場所の住所」で決まりますので、市や県の境にお住まいの方はご注意ください。
例えば、熊本県荒尾市に住んでいて、借りている駐車場は隣接する福岡県大牟田市にある、という場合には大牟田市管轄の警察署での手続きが必要となります。

必要な書類

車庫証明(車庫届出)の取得のために必要な書類
  1. 「自動車保管場所証明申請書(保管場所標章番号通知書を含む)」(熊本県の場合、熊本県警のホームページよりダウンロード可能)
  2. 使用権原疎明書(自認書)(車の名義と車庫・駐車場の名義が同一の場合に使用)
  3. 使用場所使用承諾証明書(保管場所の所有や管理者が、車の名義人と違う場合に使用)
  4. 保管場所の所在図・配置図

※申請書類は、すべて黒か青のボールペンで記入してください

1:「自動車保管場所証明申請書(保管場所標章番号通知書を含む)」

事前に警察署窓口に行ける方は、複写式(普通自動車は4枚綴り、軽自動車は3枚綴り)をもらうことができます。熊本県警のホームページでは、一枚目のシートに入力すると2ページ目以降にも自動的に入力されるとても便利なエクセルの様式がダウンロードできます。申請書(様式)をもらうために警察署に行く手間が省けますので、インターネットでのダウンロードして、パソコン等で必要事項を入力した後にプリントアウトするのが、熊本県の場合にはオススメです。

・車名/形式/車体番号/自動車の大きさ:車検証の通りに記入します
・自動車の使用の本拠の位置:住民票、印鑑証明書の通り正確に記入します
・自動車の保管場所の位置:車庫や駐車場等の住所を記入します
・※保管場所証章番号:廃車や買い替えの場合に、旧車の標章番号を記入します

・申請者欄:住所、氏名、フリガナ、電話番号の記入、押印(認印)

・最下段左:土地、駐車場の名義について、該当するものに丸をつけます(自己単独所有、他人所有、共有)
・申請の自動車登録番号:熊本ナンバーの場合のみ記入
・連絡先:担当者の名前、携帯電話番号(緊急連絡先として)
・旧車の車体番号(買い替え等の場合):廃車、下取り等で手放す車がある場合に必ず記入

2:使用権原疎明書(自認書)

こちらも、熊本県警ホームページより様式のダウンロード可能です。
車の名義と車庫・駐車場の名義が同一の場合に提出が必要です。例えば、自分名義の持ち家で自宅敷地内に駐車場がある場合です。

3:使用場所使用承諾証明書

保管場所の所有や管理者が、車の名義人と違う場合に提出が必要です。
こちらは熊本県警ホームページからもダウンロードできますし、駐車場の管理会社さんが持っている様式でも提出可能です。賃貸住宅で駐車場も借りている場合や、月極駐車場を借りている場合などは、管理者さんにお願いをして記載してもらい押印してもらう必要があります。
(訂正時には管理者さん(承諾者)の印鑑で訂正します)
なお、保管場所について、同居の親族と共有の時にも、この承諾書は必要です。その際には、共有者全員の住所及び氏名の記載と押印が必要です。

また、使用期間は、申請日以前の日付から始まり、申請日より1ヶ月以上の期間が残っている必要があります。

4:保管場所の所在図・配置図

熊本県警ホームページより様式がダウンロードできます。ボールペンで記載します。
様式の最下段:連絡先として名前と携帯電話番号を記入
自動車の長さ:車検証の通りに記入します

所在図

駐車場の場所がわかる地図です。目印になる建物やバス停なども記します。著作権者の利用許諾を得ているものであれば、地図のコピーの添付可能です。手書きもOKです。
なお、駐車場の所在地(保管場所)は、使用の本拠の位置(使用する人の住まいや事業所)から2キロを超えない場所にすることが定められています。直線で結んだ際の距離で記載します。

配置図

具体的な駐車場の状況について駐車位置も含めて記載します。駐車場に面する道路の幅、駐車場入り口の幅、駐車位置の縦横の長さなど、尺を記入する必要があります。道路の幅は、運行するために狭すぎないかという点で警察側(公安委員会)で確認しますので、正確に書く必要があります。
いずれも、パソコンで書いても、手書きにしてもOKです。

【マンションの立体駐車場の場合】
立体駐車場は毎回停める位置が変わるため、書面には「立体駐車場」と書いて、駐車場入り口の間口と高さを記入します。

手続きの流れ

1:管轄する警察署の窓口で、上記の必要書類を提出し申請をします。万が一記載内容に不備があると、その場で訂正させてもらえますので、書面に押印した印鑑を持って行きましょう。
(ただし、先述の通り、使用場所使用承諾証明書は管理者さん(承諾者)の印鑑で訂正が必要となりますので、こちらの書面は訂正の必要のない状態で持って行きましょう)

2:必要な手数料を窓口で支払う(下記参照)

3:熊本東警察署の場合ですが、だいたい2日後に発行です。(熊本県警察ホームページ上では数日要します、と記載されています)申請時に、警察署に受け取りに来る日時を指定されます。

4:申請のおおよそ翌日に、調査員の方が現地確認にきます。立会は不要です。

5:指定された日に警察署窓口に出向き、車庫証明の発行を受けとります。

※「車庫証明」の有効期限は1ヶ月です。発行日から1ヶ月以内に、名義変更等手続きなど必要な手続きを行う必要がありますので、スケジュールにはお気をつけください。

警察署で支払う手数料

2021年1月現在の手数料です。申請時には最新情報をご確認お願いします。

【普通自動車】
申請手数料(県の証紙):2,200円
交付手数料:550円

【軽自動車】
申請手数料:なし
交付手数料:550円

熊本の警察署の受付時間が、2021年1月より変更となっています

熊本日日新聞などで2020年11月時点ですでに報道されていますが、車庫証明を取得するための警察署の窓口受付時間が2021年1月より、16時までに変更されています。
受付時間:月曜から金曜の午前9時00分〜午後4時00分
(ただし、八代警察署氷川幹部交番については午前9時00分~午後3時00分)

熊本県警察の車庫証明に関するホームページはこちら(様式ダウンロード先)

熊本県警察:自動車の保管場所証明

必要な書類のダウンロードも、上記のページから可能です。

車庫証明の申請手続きは、行政書士がお手伝いできます

書類は作れそうだけれど、警察署へ平日の16時までに二度出向くのは現実的でない方。その場合には、国家資格者である行政書士があなたに代わって申請し、車庫証明をもらってくることが可能です。
もちろん、行政書士が書類作成からお手伝いすることも可能です。ご依頼の方、ご相談されたい方は、お電話にてご連絡ください。

なお、委任状や資格もなく他人が作成すべき申請書を代書したり、警察署で代理や代行として書類の手続きをすることは認められていません。国家資格者である行政書士をぜひご利用ください。